ゆとりですがなにかを語っていますがなにか?
前回の記事で書いたように、TVer配信中の日テレドラマを布教しよう祭りを勝手に開催しております。
本日紹介するのは、2016年に放送された
ゆとりですがなにか
なんと、TVerでの配信は初めてだと!見るしかないですね!
宮藤官九郎(クドカン)脚本。
出演は岡田将生✕松坂桃李✕柳楽優弥。
しかもタイトルが「ゆとり」。
そう、これはゆとり世代を題材にした画期的なドラマです。
ゆとり
これまで何回、「これだからゆとりは」って言葉を見て聞いて言われてきたか!!!
そもそもゆとりってなんだよ!!!知らんがな!!!
こちとら国の政策で決められたルールに則って生活してるだけなのに、なんでゆとりゆとり言われなきゃならんのよ!!!
途中で土曜授業なくなってこっちも困惑したのよ!!!
そもそもゆとり=ポンコツ、使えない、みたいなイメージキャンペーン誰が始めたんだよ!!!
ゆとりの1人に1人にだって人格があるんだよ!!!ゆとりでくくるな!!!!!(怒りの鉄拳)
いや、実際に面と向かってひどいことを言われたことはないですよ。でも世の風潮的に、ねぇ、ゆとり世代のみなさん。肩身狭い思いしてきてませんか??
だからクドカンがゆとり世代を題材にしたドラマを作るって聞いても、面白おかしくゆとりを描くのかな〜って気乗りしないところもあって。でも、クドカンファンの1人として、とりあえず初回はみとくかって軽い気持ちで視聴したら……。
過去のクドカンドラマとは一線を画す、社会風刺がピリッと効いたドラマだった。
もちろん、メインの3人がひょんなことから出会って、悩んで、学んで、成長して、という青春群像劇としても楽しめるんですが、「ゆとりでくくるな!!!」という何行前かの私の心の叫びを汲み取ってくれた見事な「社会ドラマ」だった(滝涙)
※社会派ドラマではなく社会ドラマと書いたのは、こちら↓でクドカン自身が「社会ドラマ」と話しているからです。
そんな「ゆとりですがなにか」の魅力はどこにあるか。
話は、正和(岡田将生)、山路(松坂桃李)、まりぶ(柳楽優弥)のゆとり第1世代を中心に進んでいきます。クドカン作品の魅力は、登場人物たちそれぞれが「生きて」いること。
正和は岡田将生じゃなくてまーちん(正和のあだ名)だし、山路は松坂桃李じゃなくて山路だし、まりぶは柳楽優弥じゃなくてまりぶなんだよね。
この3人が先述のようにそれぞれ悩み、苦しみ、もがきながらも、1人の人間として成長していく姿を描いたドラマです。
外見二枚目内面三枚目・岡田将生
岡田将生演じる坂間正和は、酒蔵の次男で、食品会社に勤める普通のサラリーマン。
「普通のサラリーマン」がクドカン作品の主演になる、って、それだけでもこのドラマが異色なことがわかります。
正和は、居酒屋に出向して店長として働くことになるんですが、これがまたポンコツなんですな〜。愛すべきポンコツ。彼女の茜ちゃん(安藤サクラ)が仕事がバリバリできるから、余計に、ね。
それにしても岡田将生くん、あなたほど顔面は国宝級並に美しいのに、ポンコツ役が似合う役者はおりません。二枚目三枚目コンボオブ・ザ・イヤーを贈呈いたします。
で、この正和の後輩・山岸がヤバいんです。何がヤバイって、ヤバいからヤバいんです。ヤバい。
ゆとりモンスター仲野太賀
想像の斜め上のことを色々やらかしてくれちゃう正和の後輩、山岸(仲野太賀)。
ゆとり世代の代表格、「ゆとりモンスター」って揶揄されるもんだから、こんなのといっしょにされたくないよ!って思ってしまって、でもそうやってカテゴライズしてる自分は、自分がイヤだと思っていたゆとりをゆとりとしてくくる大人たちと一緒だと気づいてハッとした。
山岸がまあ最初のうちはただの憎たらしい奴なんですが、回を重ねるごとに小憎たらしい、になって、なんか憎めない、になって、アレ?山岸カワイクネ?ってなるのでどうか腹立っても視聴をやめないでくださいネ。
娼年の松坂桃李はいったん忘れましょう
松坂桃李主演の映画「娼年」をご覧になったお客様はいらっしゃいますかー!
お客様、今すぐその記憶をいったん頭の片隅に葬り去ってください!
そして蓋をして誤って開いてこないように重い重い重石をのせておいてくださいませーー!
松坂桃李が演じる山路一豊はチェリーなんですーー!
山ちゃんこと山路は、小学校の教員。生徒からも慕われていて、仕事には真摯に取り組むし、一見すると真面目な好青年なんですよ。
でも、性体験がないことを卑下してこじらせまくってるので、これまた色々やらかすのである。
当時まだイケメンキャラとして名を馳せていた松坂桃李がそんな役をやるなんて信じられなかったんだけど、そのさじ加減が絶妙、絶&妙!いまや様々な界隈でおたくからも愛されている松坂桃李の片鱗が表れていたのかもしれないね。
いま見ると松坂桃李めっちゃいきいきとしてるね。いいよいいよ。
で、山路を狂わせる(?)女として登場するのが吉岡里帆ちゃん。
アザトカワイイ♫吉岡里帆
山路の小学校で教育実習生として働くことになった悦子先生(吉岡里帆)。
吉岡里帆ちゃんは「あさが来た」ののぶちゃん役で初めて知って、のぶちゃんはめがねがトレードマークだったこともあって、最初は悦子先生=のぶちゃんって気づかなかった。
まーちんパートのひっかき回し役が山岸なら、山ちゃんパートのその役は悦子先生です。わかる、わかるよ山ちゃん。
こんなかわいい先生が近くにいたらそりゃ、ねえ、わかる。
ネタバレになるので多くは語りませんが、北村匠海くんも関わりのある役で登場するので必見です。
チャラい優弥?闇深い優弥?どっちが好きなの?
柳楽優弥が民放ドラマに出る、しかもメインキャストで!って珍しいじゃないですか!!
それだけで見る価値があると思うんですよね。
「ゆとりですが〜」の前に放送されていた「まっしろ」も「まれ」も、柳楽優弥が出ていなかったら脱落していた。柳楽優弥が出ていたから完走した。
もちろん「アオイホノオ」も視聴済の状態で臨んだ初回放送。
(アオイホノオはおすすめドラマです!)柳楽優弥をキャスティングしてくれた方〜〜!私から全力の感謝をお届けします〜〜!って心の中で叫んでいた。
さーて、
チャラい柳楽優弥が好きな人ー!
\はーい/
闇深い柳楽優弥が好きな人ー!
\はーい/
柳楽優弥演じる道上まりぶは、おっ○いパブの客引きという、まーちんや山ちゃんに比べてアウトローな世界で生きる人物。
チャラい外見で、おっ○いおっ○い叫んでるから、「何だコイツ」って誰もが思う。
ただ、そこはクドカン作品。まりぶには、我々が思いも寄らなかった過去がありまして。クドカン、まりぶ書くの楽しかっただろうな〜。私もまりぶ好きだったな〜。まーちんも、山ちゃんも好きだったな〜。みんなみんな愛しかったな〜。
そのほかにも、まーちんの彼女役で安藤サクラ、謎多きおじさま役で吉田鋼太郎、まーちんと茜の上司役で手塚とおると、技巧派な俳優陣がそれぞれの役を好演しています。
ゆとり世代の人も、そうじゃない人も、見たら何かが心に残る、そんなドラマです。
スペシャルの純米吟醸純情編までがセットなので、ぜひそちらもご覧ください!!